この本を読んだきっかけ
青山美智子さんの作品は短編小説でありながら、様々な仕掛けがあって読んだ後に繋がりを見返すのが面白くて何冊か読んでいます。
どの作品も優しい文章なので、ほっとする作品が多いです。
この作品はタイトルに「鎌倉」とあったので知っている場所が出てくるかもしれないと思い読んでみることにしました。
鎌倉うずまき案内所 作者:青山美智子
- 価格: 825 円
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あらすじ
古ぼけた時計店の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。そこには、双子のおじいさんとなぜかアンモナイトが待っていて……。会社を辞めたい20代男子。ユーチューバーを目指す息子を改心させたい母親。結婚に悩む女性司書。孤立したくない中学生。40歳を過ぎた売れない脚本家。ひっそりと暮らす古書店の店主。平成を6年ごとにさかのぼりながら、悩める人びとが「気づくこと」でやさしく強くなる――。ほんの少しの奇跡の物語。<出版社HPより引用>
こんな人におすすめ
- 人生の選択に迷っている人
- 本を読んだ後にほっと癒されたい人
- 考察や伏線回収の作品が好きな人
- 青山美智子さんの作品が好きな人
感想
現在から過去に遡るストーリーになっていて、最初に登場した人の過去が徐々に明らかになっていきます。まさか最初にみんな出てきていたなんて!!
最後に登場人物の年表があるので、先に見てから読むとわかりやすいかもしれません。それを踏まえたうえでもう一度読み返したい作品です。
今回はお題が全て渦巻に関連したものになっているのも納得。少しファンタジーな要素もあります。
青山美智子さんらしいお話で迷っている人にそっと背中を押してくれるような内容になっていて、「巻き寿司の巻」が一番好きでした。
印象に残った言葉がありました。小説の中に出てくる小説より、
本当の幸せは人から選ばれることじゃなく、私が私を愛することの中にあるのだと。
<本文引用>
自分が自分を愛することって簡単なことのようで忘れてしまうんですよね。
相手の事を大切にしなきゃとか、自分より他の人に目を向けることが多いけど、自分を愛せないと他人も愛せませんもんね。
いつも忘れてしまいがちなことに気づかされた言葉でした。
ちなみに青山美智子さんの作品は他の作品にも登場している人も出てくるため、他の作品を読んでいるとより楽しめると思います。
相関図があるとよりわかりやすくなるので、作ってみたいのですが、他に読みたい作品があるので手が付けられていません(笑)
舞台は鎌倉ですが、小町通りや八幡宮など有名なスポットは登場します。カフェやお店は実際にはなさそうでした。
やっぱり青山美智子さんの作品は楽しめますね。まだ読んだことのない方でも楽しめますので、気になった方は是非読んでみて下さい。
おまけ
余談ですが、鎌倉好きの私は小川糸さんの「ツバキ文具店」シリーズも大好きです。こちらは実際にあるお店が沢山登場するので鎌倉が好きな方はこちらの作品もおすすめです。有名ガイドブックには載っていないコアなお店もありますよ。
読んだ後に鎌倉散策に行くとより鎌倉を楽しめます。
可愛い地図が描かれた案内もあります!
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以前、ふらっと鎌倉を散歩しているときに偶然おしゃれなお店があるとチェックしていたカフェが「ツバキ文具店」に登場していたときは嬉しくなりました。
気になった方はこちらも併せてチェックしてみて下さいね。
最後までお読み下さり有難うございました。