こんにちは。
「タイムマシンに乗れないぼくたち」作者:寺地はるな
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を読みました。作者の寺地はるなさんの作品は「川のほとりに立つ者は」で2023年本屋大賞にノミネートされています。
物語は7つの短編小説で構成されています。1つ1つの物語につながりはありませんが、難しい表現がないのでスラスラと読むことができました。
どちらかというと淡々と進んでいくストーリーです。短編小説なので隙間時間に読み易いですね。
20ページ程の短いお話もあり、その後の展開を想像する余韻が残りました。コンプレックスを持っている人が多く登場する印象で、それに寄り添い、前を向いていくようなストーリーです。
中でも好きだったお話がタイトルにもある「タイムマシンに乗れないぼくたち」です。
12歳(小学6年生)の男の子が主人公で、両親が離婚し母と祖母の三人暮らし。
転校先の学校に馴染めず、誰とも言葉を交わさない日々を過ごし、家庭でも孤独を感じていたのですが、大好きな博物館で一人の男性に出会い、その男性によって男の子が前向きになっていくお話です。
男性の名前も知らないのですが、男性はいつもお守りのようにお菓子を鞄に入れていて、これを触ることで安心するんだそうで、そのお菓子のように男の子が泣いているときもそっと寄り添い、何も訊かず、何も言わないのですが、自分の気持ちを吐き出したことで、安心したり前を向いたりすることが出来る時もありますよね。
話を訊くとアドバイスしたくなってしまう気持ちがありますが、苦しいときはただ、話を訊くだけでいいんですよね。
お守りのような、自分がリラックスできるモノやコトを日々に取り入れることで一人でもそれを楽しむことが出来ることに気づかせてくれたお話でした。
子供の頃の気持ちを思い出し心が温かくなり、ほろっと涙する感動作でした。
本は新たな発見や知らない世界を知ることが出来て、やっぱり読書は良いなと思いました。
寺地はるなさんの作品は初めて読んだのですが、凝った表現があって好きな作家さんでした。本屋さんで見かけた「今日のハチミツ、あしたの私」が気になっています。
カフェやお菓子の小説が好きなのとジャケットも可愛くて好きなので、今後読んでみたい小説です。
最後までお読み下さり有難うございました。
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2023年本屋大賞ノミネート作品
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